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ワカメ収穫体験記。(表浜漁業再生プロジェクトのブログより)

漁船にも乗ったことのなかったこーじが、ワカメ収穫の体験とお手伝いをしてきました。
昨年8月より動いている、表浜漁業再生プロジェクトの活動の一環です!

朝6:30に小渕の裏の浜へ行くと、すでに一度目の収穫から帰ってきた船からワカメを荷下ろししているところでした。
二度目の収穫に同行させてもらい、出発!
朝の海風は冷たい。

沖にあるワカメ養殖場に着くと、モーターでワカメを少しずつ引き揚げていきます。
一口にワカメと言っても、実は収穫段階で二種類に分かれます。
葉の先の方のヒラヒラしているワカメっぽい部分がワカメ。
そして、根っこに近い方の茎に付いている耳みたいな部分がメカブ。

昔はメカブは捨てていたけれども、近年は市場で値が付くようになり、
収穫して製品化するようになったのだそうです。

さて、巻き上げたら先っぽを鎌で切ってワカメを採り、
根っこの部分からは後でメカブを採るのですが、
揺れるし狭い船の上で正確な作業が必要になるし、
ど素人の自分がいちいち「どうするんですか?」と聞きながら手を出せるような状況でもない。
残念ですが、船上では取材のみに専念することにしました。

船で戻り、陸に揚げたワカメはお湯で茹でてから水で冷まし、袋に取り分けます。
この「茹でかた」のあと、塩蔵と言って塩づけにするそうです。
本当はそのあとも細かく選別したりといった加工工程があるそうなのですが、
仮の作業場では設備が足りず、人手も足りていないため、思うように作業が進まないのだそうです。
そのため、加工が途中の段階でも出荷せざるをえない状況だそうです。

一方、メカブはワカメほど多くの工程を経るわけではないのですが、
陸に上げてから、とてもきめ細かな作業が必要になります。
まず、根っこから耳付きの部分を鎌or包丁で切り取ります。
それを手で一つ一つ選り分け、製品化できる部分だけを拾っていきます。
そして、耳そぎです。彫刻刀のような刃物を使って、茎から耳=メカブを削いでいきます。
悠長に書いておりますが、現場はスピードが命。
ものすごい早さで作業を進めていきます。
茎や耳が飛び交い、全身ワカメ&メカブまみれになること請け合いです。
こうしてひたすら人の手によって加工されていったメカブは、生で出荷されます。

残った茎や根っこの部分は、食べても美味しいのですが、
加工や処理をしきれないので、夕方もう一度船を出して海に返します。
これが養殖の栄養となって、また新たなワカメとメカブを生み出すのですね。
海の恵みと人間の営みに、一つの確かな循環を見た気がしました。

製品化したワカメとメカブは、石巻中心部の渡波(わたのは)にある魚市場に持って行き、競りにかけられるそうです。
昨年は震災の影響で供給不足だったこともあり、今は普段の2倍ほどの値が付いているそうです。
ちなみに渡波の魚市場、津波で壊滅的な被害を受けましたが、現在は仮設テントで営業中、新しい建物も建設中です。

今回の体験では、表浜の漁業が少しずつ、でもしっかりと再生へ向かって歩んでいることを現場レベルで体感できました。
施設も人も十分でなく、作業が思うように進まない状況でも、そこには漁師たちの活気、浜を支える人たちの笑顔があります。
昨年4月に初めて小渕浜に入った時、ここで漁業をやっていた姿が想像できなかったし、
ましてや再開することなどずっと先のことのように感じていました。

でも、表浜は一歩ずつ着実に動き出しています。
浜の人間ではない私には、漁師たちの本当の苦労はわからないかもしれない。
でも、震災以後ずっと浜を見てきた人間として、この歩みを後押しできるよう、
これからも長く、じっくりと応援していきたい、
できることを一つずつやっていきたいと思っています。

表浜漁業再生プロジェクト ボランティアスタッフ
服崎耕司

(ワカメ収穫体験の動画も、近日中にアップします!)

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