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6月1日、2日に旧北上川にて四万十塾+石巻カヌークラブ主催でカヌートレックが行われました。久しぶりに中身の濃いトレックとなりました。実は一年前、同じルートでカヌーをしたんですが、なんだろう。まず言いたいのは、ぜんぜん緑が深い。そして水が清い。地震の影響?去年カヌーから見えたむき出しだった岩肌も深く緑に覆われ美しいとしか形容のしようのないロケーション。なにしろ水が前回に比べて濁っていないのです。まさにベスト?コンディションの旧北上川と思えたのでした。天気も良かった。ランチのときは天空に虹も見えました。初日は旧北上川名物「谷風」で腕が棒になるほどパドリングしちゃったようですが…(実はその風の強かった初日は僕は不参加)、きっとそれもいい思い出です。向かい風で漕いでも漕いでも前に進めない経験は僕もこの川で何回も経験しており、僕ら人間にとっての不都合は自然にとっては全く関係のないことなのだよねと身をもって思います。物事の出来事に対して不都合があっても、それを己の都合の良いように無理矢理でも変えることができたりするのは人間社会での話だけで、自然はいつも淡々と拒否ができない絶対的なルールを僕らに突きつけるのです。「おだずなよ!(ふざけるなよ!という石巻弁)」と怒るのは当然。「酷すぎる!」と涙を流すのも当然。しかし、僕ら人間が泣いても怒っても、自然は自然であり続けます。僕たちは、特に僕みたいな凡人は、きっと自然とはどういうものかをちょっとづつ知りながら、そして全体の1パーセントもわからないまま去っていく存在なのだ。などと、今回の相棒であるM君にバウ(カヌーの前の席)をまかせてまったりしつつ思いを巡らせながら、ぼへーっとスターン(カヌーの後ろの席)でラダーストロークをするのでした。カヌーに乗っていると僕のような者でも、不思議とこんな風にゆったりしながら普段考えないようなことを考えたり、物思いにふけることができたりするのです。

イベント終了時のこと。偶然、水上バイクのグループと一緒になりました。今回のベースキャンプにした河川敷のとあるポイントが、水で遊ぶ市民が川にアプローチする数少ない穴場だからです。カヌーと水上バイク。スタイルも何も間逆と言っていい間柄ですが、同じ水で遊ぶ仲間であることに間違いありません。聞けば彼らはこの場所でごみ拾いなど行い常に清掃に努めているとのこと。素晴らしいと思いました。「震災で家族を亡くしたんです。本当は海でやりたいけど、気持ちがどうしても。でもやめるのは違うと思うから」と、水上バイクのグループの一人はおっしゃっていました。
僕たち石巻市民は、自分たちでこうして少しづつ、海と川に恵まれた素晴らしい環境であるはずの愛する石巻を、本来あるその豊かな自然の恵みを享受できる漁だけではない多岐に渡る関係性を取り戻せるはずだと、カヌーイベントを通じて希望を感じた僕でした。僕ら大人が、気持ちを前に進めて、いろいろな角度で水に触れる。カヌークラブ的には、そういう大人が沢山いる中で、僕らカヌーをする大人がいて、次は子供たちがカヌーに興味を持ち、始めてくれ、そしてカヌーを教える大人になり、また次の世代へ。という正の連鎖が続いていくことになるのではと思うのです。

石巻カヌークラブ ・ アッシュ

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