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まなみ組 へんりぃの一日(サンライス元気村6/16 Part2)

アマゾンさんと訪れた、渡波第一団地と第二団地。

 霧雨まじりの梅雨空でしたが、おばあちゃんたちの笑顔は、

日本晴れそのものでした。

 

毎週一回やってくるという、八百屋さんの巡回販売。

霧雨に服が濡れるのもいとわず、押し車に体重を預けたおばあちゃんは、

部屋の前のスロープを行ったり来たり。

「八百屋さんが来るのよ」

落ち着きなく視線を左右に走らせると、集会所の方へ首を伸ばします。

「何時ころ来るんですか?」

「いつもは、十一時なんだけどねえ」

おばあちゃんはそう言うと、おぼつかない足取りでスロープをおりていきます。

時計を見ると、十時五十分。

「雨で濡れちゃいますよ。八百屋さんが来たら知らせに行くので、お部屋で待っていてください」

うんうんと、何度もうなずくおばあちゃん。

僕の言葉は耳に届いているはずなのに、おばあちゃんは、

なおもスロープをおりていこうとします。

団地の入口を眺めていても、それらしい車がやって来る気配はまるでありません。

「雨に濡れたら、風邪をひいちゃいますよ」

何回かのやりとりのあと、おばあちゃんは寂しそうに眉根を寄せて、

集会所の方を振り返りながら、とぼとぼと部屋に帰っていきました。

 白い軽のワンボックスが、集会所の前で停まりました。

車からおりた女性が、野菜の箱を手際よくおろし始めます。

先ほどのおばあちゃんに八百屋さんが来たことを知らせにいくと、途端に表情が輝きました。

あちこちの棟から、おばあちゃんたちがやって来ます。

白いワンボックスに、あっと言う間に人だかりができました。

 目と鼻の先に、イオンがあるのに。

品揃えならば、イオンが豊富なのに。

 

おばあちゃんたちは笑顔で、時に大声で、仲良く野菜を選んでいます。

まるで、そこが集会所みたいです。

 

ふと、押し車のおばあちゃんの、そわそわした素振りが思い浮かびました。

 

買い物の楽しさももちろんあるのでしょうが、それだけではない、もっと別の何かがあるーー。

そこに行けば、必ず誰かに出会える場所。

自分一人だけの笑顔ではなく、誰かと誰かの笑顔がつながる場所。

集会所でも八百屋さんでもいいけれど、そんな場所がもっと増えていけば、

きっと、

みんなの暮らしがより穏やかになるのだろうと、しみじみと感じた一日でした。

へんりぃ

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